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わかりやすいかも(about自閉症) [Diary]

 自閉症の見方や治療法は近年、非常に大きく変ってきた。その
変化の一番の要因は、自閉症についていろいろな領域からの研究
の進歩と治療の経験の蓄積の結果である。
 自閉症は、人生の早い時期に障害が現れ、発達の過程によって
状態が変わっていく発達障害である。発達の障害の特徴は精神機
能としての表象機能の障害であり、その障害の基礎には、未だ特
定できない高次の中枢神経のシステムの障害があると考えられて
いる。

(1)自閉症の発見

 自閉症は、アメリカのカナーにより、1943年に”情緒接触の自
閉的障害”として、最初に記載された障害である。発症は人生の
極めて早期であり、主要症状として周囲からの極端な孤立と自閉
化、特異な言語症状、強迫的な同一性保持があげられていた。こ
れらは現在用いられている主な診断基準の主要症状とほとんど重
なっている。
(2)3つの神話の成立 ー不幸な誤解ー

 当時のアメリカの精神医学は、すべての子どもの精神障害を精
神分析的に理解しようとした。すなわち何か異常行動があれば、
それは早い時期の養育環境に必ず問題があり、アプリオリにその
原因は親の態度や性格に求められた。この流れの中で、カナーの
診断基準の一部が過度に強調され、自閉症に対する極めて非科学
的な3つの神話ができあがった。
 その第1は、自閉症は心因による防衛としての自閉であるから、
その原因は必ず生育歴にあり、家族関係とりわけ母のパーソナリ
ティに求められるはずだと解釈されたことである。
 2番目は、潜在的な認知と知能は本来良好であり、それらは自
閉という情緒障害のために実際は現れないとされたことである。
 3番目は、自閉症はこのように心因によるものであるから決し
て器質障害はないはずであると確信された。

(3)新しい研究の発展と3つの神話の崩壊

 この間の、研究の進歩により知られた実証的科学的成果が、先
ほど示した3つの神話の崩壊をまねくことになった。自閉症に対
する研究は発展の過程にあり、自閉症は脳の機能障害が強く推測
される発達障害であり、行動的症候群とされるようになった。

自閉症の概念と診断

(1)定義

自閉症は3歳位までに起こってきて、
社会的な相互交渉の質的な障害
コミュニケーション機能の質的な障害
活動と興味の範囲の著しい限局性
の三つを主徴とする行動的症候群と定義される。

(2)診断基準

 世界的に影響力の大きい2つの診断分類の体系であるICD-10と
DSM-Ⅵがある。DSM-Ⅵというのは、アメリカの精神医学会の診断
基準のマニュアルの第4版である。ICD-10とは、世界保健機構
(WHO)の国際疾病分類の第10版である。
 これらの自閉症の診断基準で大切なことは、行動的に定義され
た基準であり、明確な脳障害があろうとなかろうと、自閉症と診
断できるという事である。

近縁の発達障害との鑑別

(3)多軸診断

 多軸診断とは、臨床症候群をいろいろな側面つまり軸で評価す
る方法である。これについても何を軸にするかは、診断分類体系
により異なっている。ここでは、WHOで推奨している多軸診断シス
テムを紹介する。第1軸は、臨床的症候群であり、主要な診断で
ある。第2軸は、精神機能の発達水準である。第3軸は、病因的
あるいは副次的な生物学的要因がある。第4軸は、病因的または
副次的な心理社会的要因である。第5軸として、全般的適応の水
準の評価が必要となろう。多軸診断により、自閉症をより合理的
にかつ科学的に研究することが可能となる。
(4)自閉症の疫学的なこと

 自閉症の男女比は4:1程度で、いずれの調査でも男が圧倒的
に多くなっている。出現頻度は、児童人口10,000人に対して、3~
4人であるとされてきた。最近の日本での調査では、児童人口1,000
人に対して1人以上であるとの報告もある。社会適応から見た予
後は楽観できない。自分で独立して生活できるようになる者は20%
以下である。

自閉症の障害の今日的理解

 まず、脳に障害を起こす何らかの原因がある。おそらくいくつ
かの原因がからみあい、ある特定の脳機能のシステムに障害を起
こすことになる。そのために表象機能障害が起こり、それが一方
では認知の障害、他方では情緒の障害として現れる。
 そして、成長とともに行動という形でこの障害が現れてくる。
つまり、自閉症的行動が外界との関連で形成され、内的世界と外
的世界とがフィードバックしあい、いろいろな行動の異常が強ま
ったり弱まったりする。そして、これらのすべての次元について
内的発達により行動を変化させる力が生じ、このフィードバック
系に一層の複雑さを付け加えている。
 自閉症においては、認知の障害もあるし、情緒の障害もある。
シンボル機能のない感覚運動期に属する自閉症の子どもたちはよ
り自閉的に見え、年長になったり認知発達の水準が高くなると自
閉性は減弱する。つまり、自閉症には、認知にも情緒にも障害が
あり、発達の時期によって認知と情緒のどちらの側面が前景に出
るかが変っていくと考えられる。

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東京大学医学部附属病院精神神経科科小児部 のWEBからの転載です。
ちょっとわかりやすいですね。
我々が育つ段階では自閉に関して、かなり誤解された考え方だったのかもしれません。
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