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エッセイ『幼児教育を目指す方へ』 [『ぶん★文★ぶん』]

初めて教壇に立ったのはもう30年近くも以前のことになります。教育実習にて出身校でもなる南山学園南山中学高等学校男子部にて音楽科教育実習生として始めて生徒たちの前に立ち音楽の授業を展開しました。自分が在籍した男子校ということもあり、音楽という科目そのものがなかなか生徒たちに受け入れてもらえないのではないかという不安を抱えたまま初めての教壇に立ちました。その不安はいざ授業が始まるとあっという間に消え去りました。当時の自分はまだ若さがありましたし、生徒たちも年齢の近い教育実習生には親しみを持って接してくれました。そのころの自分は大学では幼児教育を研究しながらも演奏家としての人生を強く希望していた時代でもあります。
大学を卒業し英国トゥリニティー音楽院大学院にてピアニストとしての演奏技術を学び、帰国した後は演奏活動に忙しい日々を送っていました。しかしながら日本全国を回る活動の日々で体調を崩し万全ではない状態でのステージでもギャランティーをいただくことに対する違和感を覚えるようになり、当時の演奏活動の状態が自分にとって正しいあり方なのかどうかを再検討する必要を感じました。当時の自分は20代後半で、大好きなステージを去る必要は感じませんでしたが、自分自身が納得のいくステージをしたいという気持ちから、向こう10年は毎年一度の地元名古屋での演奏会一本と決め、極端に演奏活動の場を縮小することにより自分自身を今一度よく見直す時間を持つことにしました。   
その10年という期間が教育への思いを再び自分自身の心の中に感じるきっかけとなりました。自宅ではリトミックとピアノ、そして言語(日本語と英語)を融合させた教育方法を開発し、非常勤講師として母校でもあります南山中学高等学校では音楽科非常勤講師、その他の学校では外国語(英語)講師として教壇に立ちいろいろな学生、生徒たちと交流することができました。そして、40歳前後を境に再び少しずつステージピアニストとしての活動を再開しました。40歳になった自分は気が付けば日本でも中堅ピアニストとなり、もう若手ではありません。演奏そのものの内容も自分自身のスタイルを確立しなくてはなりませんでした。着実に演奏活動への道は進めることができました。しかしながら10年という教育中心の生活の中でまた新たな自分自身のステージを教育現場の中に見出したのも事実です。演奏活動と教育活動を両立させることは演奏活動のスケジュール調整さえ気をつければ難しいことではなかったように思います。
名古屋音楽大学時代より幼児教育に興味を抱き『幼児の音楽教育』をテーマに学士論文を書き上げ、英国留学以降、演奏活動中心の日々を過ごし、教育活動を忘れかけていた30代の自分にこの10年間がすばらしい経験を与えてくれました。社会情勢もパソコン、インターネットの普及により随分大きな変貌があり、時代の流れとともに自分自身も情報やインターネットの分野でも教育活動の場を提供される機会がありました。小学校での教育活動がより子供たちとの接点を頻繁なものにし、幼児音楽教育への熱意をより大きなものとしました。自分の活動が愛知東邦大学に認められ教職科目としての『幼児とメディア』やピアノ演奏技術などの科目を担当させていただくこととなり、教育活動現場でもより一層の研究に取り組んでいます。
現在は幼児教育現場で実際に必要な楽器としてアコースティックなピアノと電子ピアノとの比較、メディアを取り入れた幼児の教育におけるパソコン利用の方法などを課題に研究を進めています。リトミックの必要性はダルクローズが唱えるように身体運動の中にリズムと音程の存在があり、その認識が幼児における言語発達に大きな影響があることを、幼児教育を目指す学生たちにいろいろな例を挙げながら、体験し学習してほしいと思っています。
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